08
- 121 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 18:15:53 ID:gXgIOkA30
, rrrrr ､
ﾈﾆﾁﾘｰﾝ ﾉﾘ・∀・lﾘ ﾃﾞｽﾜ
昔々、スキュラというポルキュスとヘカテの間に産まれた海のニンフがいた。
- 122 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage やっぱり大型ＡＡは書き込めない]：2008/01/09(水) 18:16:28 ID:gXgIOkA30
ﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧ
ΑΑ Å
(*ﾟДﾟ) ／ ＼
人 Ｙ / ヽ（ *ﾟ∀ﾟ）ﾉ =3
〜( ヽし' ( へ ) , -rrrr､
(_ﾉ_ﾉ > ､i, ｵﾏｲﾗ ﾉﾘl|・∀・) ｲｸﾅｲ!!ﾃﾞｽﾜ
､., ｀ﾞ" ､,. ､., ｀ﾞ" (◎) ｀ﾞ"
､., ｀ﾞ" ､., ｀ﾞ" ,., ､., . ヽ|〃 ､.,
＿ -, ;:_ ...;_ wv_,..-: _.;＿ -, ;:_ ...;_ wv_,..-: _.;＿ -, ;:_ ...;_ wv_,..-: _.;
〜 ~ ~ ~ 〜 〜 〜
スキュラは大層美しく、恋焦がれる男も多かった。
しかし彼女は、それらの想いを片っ端から蹴飛ばしてしまう無情な娘でもあった。
- 123 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage どうなってるんだ・・・？]：2008/01/09(水) 18:17:22 ID:gXgIOkA30
| ! i l| ﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧ ´ |iiiiiii;;;;
| |l l ﾄ､ ∧＿∧ |iii;;iiiii;;
iwﾉ,,､l,いiへ,wi,､,,､,.､（ *・∀・）w.､､,,､,.,,,､,.､､iiw,,､,.､､.､､,,､(◎),.､､iiw,,､,.､､,,,wﾉiiwiiiiｉ;
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.;:..:;.,;:.;.;.:.:;,:.. .;,;.:.::;.:.;.;.;;.;..;..;:. ...:,.,:;.:,;.:.::;.:.;.;.;..;ﾉﾘl|・∀・)つ .:;.,;:.;.:,;;.:,;.:..;.;..;..;:.,.,:;.:.::
:.;.;.;.,:;.;.:,;.:.::;.:,;.:.::.;.;.;..;..;:..;.:.;.,:;..;..;:..:;.,;:.;.:,;.: ,..::;.:.;.;.;..;..;:.,.,;..;.::;.:.;.;.;..:;.;.;;..;..;:..:
彼女の美しさは人間だけに納まらず、一人の神をも引き付けた。
それが海の神グラウコスである。
- 124 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage 責任者出て来い]：2008/01/09(水) 18:18:13 ID:gXgIOkA30
);:;;;|ヾ, ,;;;::::/⌒＼'"ﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧ ` ゞヾ;ゞ;＼ゞ;ゞ |iiiii;;;;;:
ヽ_ | |ｌ | / ,ﾍ ヽ∧＿∧ ' .ゞヾゞ;ゞ |iiiii;;;;::
＼_)) ! :| i .i ＼ （ *・∀・）ヽ ヾ;ゞゞヾ;ゞゞ |iiiiii;;;;:
| l| l :ヽ勿 ヽ__ ﾉ ´ |iiiiii;;;;;
| ! i l| （ ヽ, , / / ' ´ |iiiiiii;;;;
| ! i l| ヽ ヽﾉ ﾉ,ヽ． ' ´ |iiiiiii;;;;
| |l l ﾄ､ ＼ / /,. ヽ, |iii;;iiiii;;
iwﾉ,,､l,いiへiw,､,,､,.､ 丿 ﾉ,,､､iiw.､､,,､,.,,,､,.､､iiw,,､,.､､.､､,,､,.,,,､,.､､iiw,,､,.､､,,,wﾉiiwiiiiｉ;
:;;';';...;..;:..:;,.,:;.:,;.:.::;.:.;.;.;j i :;.,;:.;.:,;.:.:.. .;.:,;.:.::;.:.;.;.;..;..;:.,.,;:..;.;..;..∠(◎).;..;..;:..,:;.:,;.:.::;.:.;.;.;
;.;;.;..;..;:. ...:,.,:;.:,;.:.::;.:.;巛i~;:..: .:.:;:. .:;.,;:.;.:,;;.:,;.:..;.;..;, -rrrr､.:.;.;.;..; ..;:.,.,:;. :,;.:.::;.:. ;,:.
;..;..;:..:;.,;:.;.:,;.: ,..::;.:.;.;.;..;..;:.,.,;..;.::;.:.;.;ｷﾓｲ! ヽﾉﾘ；Д；lﾘノ ｲｸﾅｲ!!ﾃﾞｽﾜ ..:;.
しかしグラウコスは異形の姿をした神だった。
スキュラはそんなグラウコスを恐れ、激しく拒絶した。
- 125 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 18:19:06 ID:gXgIOkA30
∧＿∧
（ ；-彡＼=3
/⌒ 〉 〉
/ /x ﾉﾉ /
ｲ /|x |､_ノ
| |/x |
「はぁ・・・。無視するのはいつもの事だけど、無視されるのには慣れてないからな。
でも、スキュラたんは本当に可愛いからな・・・」
年端もゆかぬ少女にあしらわれたグラウコスはショックを受けたものの、
美しきニンフの魅力には抗うことができなかった。
- 126 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 18:19:30 ID:gXgIOkA30
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| i￣￣￣￣￣￣￣￣i | .|
∧＿∧.__＿＿＿＿＿＿_l_|／ ＿n＿n＿n＿n
＿＿＿＿ （ ・∀） ／n〈=n〈=n〈=n〈=
苦 苦 ／| /´xxxxx ヽ ／ 〈=〉〈=〉〈=〉〈=〉
筈 ／／| | xxxx ｲ | [≡≡≡≡≡≡≡≡
どうしても彼女を手に入れたかったグラウコスは西海の魔女キルケに相談した。
薬草と魔法を操る彼女の力でスキュラを手に入れようとしたのだ。
- 127 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 18:20:02 ID:gXgIOkA30
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| i￣￣￣￣￣￣￣￣i | .|
∧ _,∧？__＿＿＿＿＿_l_|／ ＿n＿n＿n＿n
＿＿＿＿ （ ；・Д） ／n〈=n〈=n〈=n〈=
苦 苦 ／| /´xxxxx ヽ ／ 〈=〉〈=〉〈=〉〈=〉
筈 ／／| | xxxx ｲ | [≡≡≡≡≡≡≡≡
グラウコスが早速用件を伝えると、キルケは妖艶な笑みを浮かべてこう言った。
「モララー様・・・げふんげふん、グラウコス様のような方を振るなんて信じられないわ。
きっとスキュラって子は男を見る目がないのよ。あんな女やめておきなさい！」
- 128 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 18:58:29 ID:gXgIOkA30
＋
∬ ＊ ＊
＼ ∧＿∧
（） ＋ （・∀・ ） ＋
}」」
>> ＊ ＊
＋
何と、事もあろうに相談役のキルケがグラウコスに惚れてしまったのだ。
この魔女は惚れっぽい女として神々の間では有名だった。
- 129 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:00:44 ID:gXgIOkA30
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| i￣￣￣￣￣￣￣￣i | .|
|∧ _,∧＿＿＿＿＿_l_|／ ＿n＿n＿n＿n
＿＿＿＿ （ #・∀） ／n〈=n〈=n〈=n〈=
苦 苦 ／| 〃´ ＿/⌒） ／ 〈=〉〈=〉〈=〉〈=〉
筈 ／／| 〈_￣ソ ＿ノ| [≡≡≡≡≡≡≡≡
「あんなニンフの小娘よりも私の方がずっといいわ。
スキュラなんて女の事は忘れて私と熱い愛を築き上げましょ」
- 130 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:02:15 ID:gXgIOkA30
odb∞ooo| | :| ;:' ||lililililililililililililililili
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品∞∞oo| | :| ;:, o8o <（）> そ ;#:., .||lililililililililililililililili
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＿＿＿＿ （・∀・# ） ／n〈=n〈=n〈=n〈=
苦 苦 ／| と´ヽ/ ヽ/｀つ ／ 〈=〉〈=〉〈=〉〈=〉
筈 ／／| ヽ＿,| ヽ_,,／ [≡≡≡≡≡≡≡≡
しかし、グラウコスの気持ちは変わらなかった。
「お前みたいなキモい奴は無視だからな！」
スキュラとの恋を成就させたいグラウコスはキルケを振り、館を後にした。
- 131 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:03:51 ID:gXgIOkA30
. . . . . . . . . . . . . . .
: :
: , -rrrr ､. :
: ﾉﾘl|・∀・)ﾃﾞｽﾜ :
: . . . . . . . . . . . . . :
／ #
＼（）/
{^}
< ＼
だが、キルケは怒らせた相手に徹底した報復を行う事でも有名だったのだ。
「ムキィーッ！スキュラが何さ！
よくもグラウコスをかどわかしてくれやがったわね！！」
- 132 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:05:27 ID:gXgIOkA30
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jill | ／
jill （）
jill v{
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""`ﾞ`Ｏ... ...... ﾐｽﾞｱｰﾋﾞ ヽﾉﾘl|・∀・)ノ ｲｲ!!ﾃﾞｽﾜ
""`"~`ﾞ○......... ........ ｡ ﾟ ^~~^~~^ ﾟ 〜〜〜
キルケの怒りが向かったのはグラウコスではなく恋路を邪魔したスキュラだった。
恐ろしい魔女は復讐の炎を滾らせ、水浴びをしているスキュラの所へ向かった。
- 133 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:07:05 ID:gXgIOkA30
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jill | {v（毒）
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""`ﾞ`Ｏ... ...... ・ (∀・l|≡|l・∀) ｡ ﾟ
""`"~`ﾞ○......... ........ ﾟ ^~~^~~^ ﾟ 〜〜〜
キルケは毒薬を取り出し、呪いの言葉を唱えながら泉の中に流し込んだ。
「ビッチには牝犬がお似合いよ！これでお前は非モテ確定じゃーっ！」
- 134 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:08:53 ID:gXgIOkA30
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ヽ（）ノ=-jill |
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""`ﾞ`Ｏ... ...... .:,;.:,:.:;ﾉﾘ；・Д・) !?ﾃﾞｽﾜ;:
""`"~`ﾞ○......... ........ ;:.;,:;.;:.;:,:;.:;.:;.: 〜〜〜
そんな事も知らずにスキュラが水浴びを続けると、
次第に毒の効果が現れ始めた。
- 135 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:09:28 ID:gXgIOkA30
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""`ﾞ`Ｏ... ...... ;:.:,;:ｲｸﾅｲ!! ﾉﾘ|l；Д；)つ ｲｸﾅｲ!!ﾃﾞｽﾜ:;.
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キルケが泉に流し込んだ毒は、じわじわとスキュラを蝕んでいった。
- 136 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:15:40 ID:gXgIOkA30
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そしてとうとう、腰まで水の中に浸かっていたスキュラの下半身は
完全にキルケの毒に汚染されてしまった。
- 137 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:16:05 ID:gXgIOkA30
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しばらくして、スキュラは異変に気がついた。
水の中に数多くの化け物の頭が潜んでいるのだ。
- 138 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:29:47 ID:gXgIOkA30
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""`ﾞ`Ｏ... ...... ::::ﾟ_・::とi ﾟ uと)（( ｡ﾟ::_・ﾟ::
""`"~`ﾞ○......... ........ ﾟ・_:::ﾟ｡ヾ从人从〃ﾟ・_:::: 〜〜〜
「いやっ、来ないで！あっちへ行くですわーっ！！」
スキュラは必死になって水の中に潜む化け物の群れを追い払おうとした。
- 139 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:30:12 ID:gXgIOkA30
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jill | ｲﾉﾉu）);;ヾ っ
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;;;;;"ﾞ"ﾞﾞノ/ﾊヽ`。｡‥'''' "" λ とiu と)（( λλ 〜〜〜〜
;;;;;;; "ﾞ""ﾞo .. ... 〜〜〜 λλ'''λλ"''λλﾞ~uシ ｻﾞﾊﾞｰｯ
""`ﾞ`Ｏ... ...... ﾟ ｡ ヾuﾟ・_ﾟ ><ﾟ・_u>ﾞ<uﾟ_・ﾟ>"` r ｡ﾟ
""`"~`ﾞ○......... ........ ゝﾟ从｡･人从ﾟ人｡人・从ﾟ 〜〜〜
だが、化け物はその場から動かない。
それもその筈、化け物の正体は醜く変わり果てたスキュラの下半身だったのだ。
- 140 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:31:28 ID:gXgIOkA30
ゞ;;;;;;;;;;;;;;;;|il |/::::::::::-'
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jill |
jill | （ヽ-;（ヽ;､
jill | ｲﾉﾉﾘ）);;ヾ
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;;;;;;; "ﾞ""ﾞo .. ... 〜〜〜 (ヽ(ヽ''(ヽ(ヽ`"''/) /)<<シ
""`ﾞ`Ｏ... ...... <ﾟ・_ﾟ ><ﾟ・_ﾟ >ﾞ< ﾟ_・ﾟ>"`
""`"~`ﾞ○......... ........ ^~^~~~~~^~~^~~~^~~^~ 〜〜〜
「い、いやっ・・・いやぁぁぁぁあああああああっ！！」
- 141 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:32:11 ID:gXgIOkA30
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○。 | .| ヽ /。/::::::::::::::::./.:::::。:::::::。:::::::::.......... ....:::::::::::::::。::::::
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ヽxx ヽ:::::::::::::☆::::::.。::::::::。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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スキュラの変貌を知ったグラウコスは嘆き悲しんだ。
自分がキルケを怒らせたりしなければスキュラは異形の怪物にはならなかったのだ。
そう思うとグラウコスの心は哀しみの念で一杯になった。
- 142 ：黒百合 ◆Q7cVwCuPcY [sage]：2008/01/09(水) 19:33:55 ID:gXgIOkA30
(ヽ(ヽ (´⌒⌒
○ ・_ﾟ:::::;;:;;ヽ (´⌒(´⌒
⌒⌒ ｀l:::::;l /)/)
⌒⌒ ,;/);-/)､. r'´;;;::;:ﾟ_・
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そして、変わり果てた姿となったスキュラはいつしか人間の心を失い、
岸から頭を伸ばしては船に襲い掛かって船員を餌食とする怪物になったという。
神話学においてスキュラとは、近づいた船を座礁させる岩礁の化身だとされる。
＜糸冬＞
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